「筋肥大させたいなら、1種目3セットが常識」。しかし、2025年に発表されたデータは、この固定概念をかなり大胆に揺さぶりました。つまり、条件さえ満たせば“週に各種目1セット”でも筋肥大が起こり得る、という話です。
ただし、ここには大事な落とし穴もあります。そこで本記事では、動画内で紹介されていた2025年の研究内容を軸にしつつ、1セットでも筋肥大を起こすための条件を具体化し、さらに上級者向けの「最も伸びやすいセット数」まで整理して解説します。
- 結論:週1セットでも筋肥大は起こり得る。ただし“条件”が厳しい
- 2025年の研究:各種目1セットでも筋肥大した(8週間、男女42名)
- 結果:筋肥大は両方で起きた。しかも“限界まで”が強かった
- ここが落とし穴:この研究、全員にトレーナーが付いていた
- 1セットでも筋肥大を起こすための条件は2つだけ
- 勘違いしがちなポイント:1セットは可能。でも“効果量”は落ちやすい
- 上級者の最適セット数:2024年の大規模分析では“週10セット”が効率最大
- では筋肥大は何セットで停滞する?2023年の上級者研究:伸びが鈍る目安は週22セット
- 重要提言:セット数を盛るより、強度を高めるほうが単純で効くことがある
- 実践編:忙しい人の“週1セット戦略”を失敗させないやり方
- 結局どれが正解?目的別の現実的な落としどころ
- この記事を読んでレベルアップ
- ジムのご案内
結論:週1セットでも筋肥大は起こり得る。ただし“条件”が厳しい
まず結論から言うと、週1セットでも筋肥大は起こり得ます。ところが、誰でも雑に1セットだけやればOK、という意味ではありません。むしろ、強度設定と追い込み方がズレると、1セット戦略は一気に“効かないトレ”になります。
したがって、短時間で最大効率を狙うなら「中強度(8〜12RM)」「RIR(余力)0〜2の範囲」「特に一人トレなら限界まで」を満たす必要があります。
2025年の研究:各種目1セットでも筋肥大した(8週間、男女42名)
動画内で紹介されていたのは、2025年にニューヨークの大学から発表されたとされる研究です(大学名は動画内で表現が揺れているため、厳密な所属は原論文で要確認です)。とはいえ、研究デザイン自体はシンプルで、要点は次の通りです。
対象と期間
- 筋トレ経験:1年以上
- 男女:合計42名
- 期間:8週間
グループ分け(A:限界まで / B:余力を残す)
| グループ | 内容 | 強度の考え方 |
|---|---|---|
| Aグループ | 全身メニューを各種目1セット、限界まで | RIR0(もう1回も無理) |
| Bグループ | 全身メニューを各種目1セット、余力を残す | RIR2(あと2回はいけそう) |
実施種目(全身)
上半身:
- ラットプルダウン
- シーテッドロー(ローマシン)
- ショルダープレス
- マシンチェストプレス
- トライセプスプッシュダウン
- ダンベルカール
下半身:
- スミススクワット
- レッグプレス
- レッグエクステンション
強度・休憩・設定
- 強度:8〜12RM(だいたい10回前後でキツい中強度)
- セット間休憩:2分
- 追い込み:RIR0〜2の範囲(限界 or 余力2回)
結果:筋肥大は両方で起きた。しかも“限界まで”が強かった
結果として、筋肉の厚さ(筋厚)はA・Bどちらも8週間で有意に増大しました。さらに、限界まで実施したAグループのほうが、優位に向上が確認された、と動画内では説明されています。つまり、1セットでも伸びるが、追い込みが強いほど伸びやすい、という流れです。
筋力(ベンチ・スクワット)
一方で、筋力については「グループ間の有意差はなし」とされていました。とはいえ、8週間での変化として、ベンチプレスは+6.5%、スクワットは+13%という結果が紹介されています。つまり、1セットでも筋力が“動く”可能性は十分あります。
筋持久力・筋パワー
そして筋持久力に関しては、限界までのAグループが+31.7%、余力を残したBグループが+22.5%とされ、Aグループが優位に向上した、とまとめられていました。さらに筋パワーも、限界まで行ったグループで優位な増大が認められた、という説明です。
ここが落とし穴:この研究、全員にトレーナーが付いていた
この研究内容だけを見ると、「じゃあ1セットでいいや」と思いがちです。ところが、実はここに大きな穴があります。つまり、研究では“トレーナー付き”で実施されていた点です。
言い換えると、追い込みや強度設定がブレにくい環境だった、ということです。したがって、同じことを“一人で”やると、そもそも強度が再現できず、結果も再現できない可能性が出てきます。
1セットでも筋肥大を起こすための条件は2つだけ
ここからは、1セット戦略を現実で成立させるための条件です。重要なのは2つだけです。まずは強度、次に追い込み(特に一人トレ)です。
条件1:強度は8〜12RM(中強度)を外さない
まず、強度は8〜12RMが軸です。つまり「10回前後で限界が来る重さ」を使うことが前提になります。さらにRIR0〜2、言い換えると「10回やった時にもう1回も無理」か「あと2回ならいけそう」くらいの範囲に収めます。
そして重要なのは、これより弱すぎても強すぎても、筋肥大・筋力・筋パワーの“全部取り”が難しくなる可能性がある、という主張です。したがって、週1セットだけで筋肥大を狙うなら、中強度から逃げないことが必須になります。
条件2:一人トレなら“限界まで”が必要(RIR設定はズレやすい)
次に、トレーナーなしで一人トレをする場合は、限界まで追い込む必要がある、という話が動画内で強調されています。なぜなら、RIRの自己評価がズレるからです。
具体例として、2017年にゴイアス連邦大学から発表されたデータでは、筋トレ経験1年未満の人が「限界までやった」と感じても、実際にはRIR2〜4程度だった、という趣旨が紹介されています。つまり、自分では追い込んだつもりでも、まだ余力が残っていることが多い、ということです。
さらに2024年の研究として、一人での強度設定を検証したデータが紹介され、RIR2(あと2回できそう)と自己申告した人の多くが、実際にはさらに3〜5回できた、という趣旨が述べられていました。つまり、RIR2と思って止めると、現実はRIR5〜7になってしまい、刺激が足りなくなる可能性が高いわけです。
したがって、週1セット戦略を一人でやるなら、原則として“限界まで”に寄せるほうが安全です。逆に言うと、余力を残す戦略は、強度を正確に管理できる人ほど向いています。
勘違いしがちなポイント:1セットは可能。でも“効果量”は落ちやすい
ここまでで「1セットでも筋肥大は起こり得る」ことは見えてきました。しかし、だからといって、誰にとっても1セットが最適とは限りません。つまり、1セットは“最低限の有効量”としては機能し得る一方で、筋肥大の効率(伸び幅)を最大化するには、やはりセット数が必要になりやすい、という流れです。
上級者の最適セット数:2024年の大規模分析では“週10セット”が効率最大
動画内では、セット数に関して最も新しく詳細に分析したデータとして、2024年にフロリダアトランティック大学から発表されたメタ分析が紹介されています。67件、合計2058名を対象に分析された、という説明です。
筋肥大:最も効率的なのは週10セット
筋肥大に関して最も効果的(効率が高い)セット数は、週10セットという結果が紹介されています。つまり、各筋群あたり週10セット前後が、伸びのコスパが最も良い、というイメージです。
ただし、ここで重要なのは、週10セットが“頭打ち”という意味ではない点です。つまり、10セット以降も伸びは続く可能性がありますが、伸び方が緩やかになる、という話です。
筋力:最低は週1セット、効率最大は週4セット
一方で筋力増強に関しては、最初の有効量(最低ライン)が週1セット、そして最も効率的なセット数が週4セット、という結果が紹介されています。つまり、筋力は意外と少ないボリュームでも伸びやすい、という解釈になります。
では筋肥大は何セットで停滞する?2023年の上級者研究:伸びが鈍る目安は週22セット
さらに動画内では、効率ではなく“限界に近いセット数”を検討したデータとして、2023年にパルナ(パラナ)連邦大学から発表された研究が紹介されています。対象はトレーニング歴5年の上級者で、セット数を増やすと筋力と筋肥大がどう変わるかを分析した、という流れです。
研究デザイン:22セット固定 vs 42セットまで増加 vs 52セットまで増加
- Aグループ:週22セットを12週間継続
- Bグループ:2週間ごとに4セット追加し、最終的に週42セット
- Cグループ:2週間ごとに6セット追加し、最終的に週52セット
筋力:セット数が多いほど伸びやすかった
筋力に関しては全グループで有意に向上し、増加幅としてはAが+11.8kg、Bが+18.0kg、Cが+26.3kgという結果が紹介されています。つまり、少なくともこの条件下では、筋力はボリューム増加の恩恵を受けやすい可能性が示唆されます。
筋肥大:全員が“やればやるほど”ではない(個人差が大きい)
筋肥大(筋断面積など)に関しても全グループで有意な増加は確認された一方で、グループ間の有意差は確認されなかった、という説明でした。増加量としてはAが+1.6平方cm、Bが+3.8、Cが+4.3平方cmと紹介されていますが、個人差が大きく統計的に優位にならなかった、という流れです。
つまり、セット数を増やせば必ず誰でも同じように筋肥大が加速する、という単純な現象は否定され得る、ということです。だからこそ、ボリューム戦略は“体質・回復力・種目選択・強度管理”とセットで考える必要があります。
伸びが鈍る目安:筋力は週9セット付近、筋肥大は週22セット付近
動画内のまとめでは、詳細分析として筋力は週9セットで伸び率がかなり鈍化し、筋肥大は週22セットで伸び率が急激に鈍化した、という趣旨が述べられていました。したがって、筋肉を大きくしたい人は、週20セット前後を一つの目安にする、という提案につながっています。
重要提言:セット数を盛るより、強度を高めるほうが単純で効くことがある
研究者の提言として動画内で強調されていたのは、「ある一定強度のままセット数をどんどん増やすより、強度を高めるほうが筋肉に正しい刺激を入れる上で単純」という方向性です。つまり、ボリュームを足す前に、まず強度(8〜12RMでの追い込み精度)を“本物”にするのが先、という話です。
実践編:忙しい人の“週1セット戦略”を失敗させないやり方
ここからは、今日から使える実装です。まず、時間がない人ほど“種目を減らす”より“強度の誤差を減らす”ほうが効きます。つまり、1セットで勝負するなら、雑さは許されません。
1セット戦略のチェックリスト
- 8〜12回で限界が来る重さになっている
- フォームが崩れすぎる前提の無理押しをしていない
- 一人トレなら基本は限界まで(特にRIR2運用は難易度が高い)
- 毎週、回数か重量のどちらかが少しでも伸びている
- 休憩は短すぎない(目安は2分)
例:全身を週2回で回す(各種目1セット)
例えば、研究で使われたような全身構成をベースにして、週2回でも成立させられます。つまり、週2回なら各筋群は“週2セット”になり、1セット単発より再現性が上がります。
- ラットプルダウン:1セット(8〜12回)
- チェストプレス:1セット(8〜12回)
- ショルダープレス:1セット(8〜12回)
- トライセプス種目:1セット(8〜12回)
- カール:1セット(8〜12回)
- スミススクワット:1セット(8〜12回)
- レッグプレス:1セット(8〜12回)
- レッグエクステンション:1セット(8〜12回)
そして、余力が残りやすい人ほど、最後の2〜3回の粘り方が重要です。つまり、1セット戦略は“最後の数レップ”で決まります。
結局どれが正解?目的別の現実的な落としどころ
最後に整理します。まず、週1セットでも筋肥大は起こり得ます。しかし、筋肥大を最大化したいなら、週10セット前後が効率最大になりやすい、という話が紹介されていました。さらに、上級者でも週20セット前後が一つの目安になり得る一方で、そこから先は個人差が大きくなる、という流れです。
- 最低限で維持〜少し伸ばす:週1セットでも可能性はある(ただし強度が条件)
- 筋肥大の効率を取りに行く:週10セット前後が目安
- 上級者でボリュームを増やす:週20セット前後を基準に、反応を見て調整
- 迷ったら最優先:セット数より強度の精度(8〜12RMでの追い込み)
正しい知識で、そして現実に再現できる形で、効率よく筋肥大を起こしていきましょう。
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