結論から整理します。筋肥大の土台は「総量」です。2018年の大規模メタ解析は、~1.6g/kg/日あたりで増量効果が頭打ちになると示しました。ただし、95%CIでは2.2g/kg程度まで個体差があり、状況次第でより高めの設定が必要になる可能性も示唆されています。したがって、まずは1.6〜2.2g/kgをベースに、減量期・高頻度トレ・上級者では~2.4g/kgを上限目安に“余地”を持たせるのが実践的です。
さらに、2020〜2021年以降の用量反応(どれだけ増やすとどれだけ増えるか)の解析では、~1.3g/kg付近までで増量効率が最も高く、そこから先は逓減(鈍化)する傾向が示されています。とはいえ、総量が十分であれば筋肥大の長期的な到達点には影響しにくい、という読み方が実務的です。
一方で、高タンパク(~3.0–3.4g/kg)でも安全性と体組成の改善が報告された研究群もあります。ただし、筋肥大の追加効果は小さく、主に減量時の筋維持や満腹感の確保といった副次的メリットで語られることが多い、と理解してください。
具体策:体重70kgの“現実的な”2.4g/kgプラン(例)
- 目標総量:約170g/日
- 配分(例):
- 朝:プロテイン20g+高たんぱくヨーグルト10g
- 昼:鶏むね75g(たんぱく質約16g)+主食
- トレ前/間食:プロテイン20g
- 夜:鶏むね75g(約16g)+卵2個(約12g)+納豆1P(約8g)+サバ小(可)
- 就寝前:プロテイン20g
- 重要ポイント:
- まずは総量クリアを最優先。
- 食事で足りないぶんをパウダーで補填。
- 減量期や高頻度トレでは上限~2.4g/kgまで検討。
タイミング問題:量が最優先、タイミングは“柔軟”でOK
短期の合成促進だけを見ると、トレ後12時間のあいだに3時間おき(20g×4回=計80g)のような均等配分が合成率を最大化しました。とはいえ、日常でこの運用は難しいため、**現実解は「食事と一緒に適量」**です。結局、1日の総量が満たせていれば筋肥大の長期成績は変わらないというエビデンスが主流になっています。
また、トレーニング後は24〜48時間、筋タンパク同化感受性が平常より高い状態が続きます。したがって、“休みの日でも”適量を欠かさないことが重要です。つまり、**「トレ日は意識するけど翌日は忘れる」**が最悪のパターンです。
実務フロー:まずはここから
- 現状把握:体重×1.6〜2.2g/kgで1週間ログ。体重・レプ数・見た目を評価。
- 必要に応じて増量:減量中/筋肉痛の回復遅延/高頻度トレなら~2.4g/kgに段階的に引き上げ。
- 分配の最適化:1回20〜40gを3〜5回。ただし、総量優先でOK。
- 現実に落とす:忙しい日は食事時+就寝前を軸に、不足分だけプロテインで埋める。
よくある誤解の修正
- 誤:「トレした日だけ多く飲めばいい」
正:トレ後48時間は高感受性。翌日こそ抜かない。 - 誤:「タイミング命。量は二の次」
正:長期の筋肥大は総量が最優先。タイミングは“できる範囲で整える”。 - 誤:「高タンパは腎臓に悪いからNG」
正:健常者では高タンパク食の安全性が示されている研究が多数。ただし既往症がある人は医療者と相談。
まとめ
- ベースは1.6〜2.2g/kg/日。
- 状況により、上限~2.4g/kgを目安に余地を持たせる。
- タイミングより総量。そして、休みの日も抜かない。
- 現実運用は「食事時+不足分をパウダー」で十分。
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