サプリ売り場でよく見かけるマカ。
元気や性機能のイメージが強いですが、筋トレやダイエットへの効果が気になっている方も多いと思います。
しかし、マカについてはイメージだけが一人歩きしている部分もあります。
そこで今回は、マカが筋トレやダイエット、そしてその他の身体の変化にどう関わるのかを、仕組みとエビデンス、摂取方法までまとめて解説していきます。
まずは、マカとはそもそも何者なのかというところから整理していきましょう。
マカとはどんな食べ物か?
マカは南米ペルーのアンデス高地で育つアブラナ科の植物です。
カブのような丸い根の部分を食べるのが特徴で、現地では昔から主食の一つとして利用されてきました。
栄養成分としては、次のようなものが含まれます。
- 炭水化物(エネルギー源)
- 少量のたんぱく質
- 食物繊維
- カルシウム、鉄、亜鉛などのミネラル
- ポリフェノールなどの抗酸化物質
- マカマイド、マカエンと呼ばれるマカ特有の成分
ここで重要なのは、マカが「薬」ではなく、もともとは「食べ物」だという点です。
とはいえ、マカ特有の成分によって、性機能や気分、疲労感などへの影響が報告され始めており、サプリとして注目されています。
マカと筋トレ・運動パフォーマンスの関係
次に、筋トレやスポーツとの関係を見ていきます。
いくつかの研究では、持久系アスリートにマカを数週間摂取させたところ、タイムトライアルの成績や疲労感にわずかな改善が見られたという報告があります。
さらに、一部の研究では、炎症マーカーの改善や運動能力の向上が示唆されています。
このあたりから、マカには次のような働きが「あるかもしれない」と考えられています。
- 抗酸化作用による筋ダメージや疲労感の軽減
- 抗炎症作用による回復のサポート
- ストレス応答(HPA軸)の調整によるコンディション安定
- 血流改善を通したパフォーマンス向上の可能性
ただし、ここで大事なのは、あくまで「可能性」の段階だということです。
研究の数はまだ少なく、サンプル数も小さいため、直接的な筋力アップや筋肥大効果が確実に証明されたとは言えません。
つまり、マカはプロテインやクレアチンのような「ガチの筋肥大サプリ」ではなく、疲労感やコンディションを少し底上げしてくれるかもしれない補助的なポジションと考える方が現実的です。
マカとダイエット・体脂肪
では、ダイエットにはどうでしょうか。
結論から言うと、マカそのものが体脂肪を直接落とすというエビデンスはほとんどありません。
一方で、間接的にダイエットをサポートする可能性はあります。
例えば、
- 気分が安定するとストレス食いが減る
- 疲労感が軽くなることで活動量を維持しやすくなる
といったルートで、ダイエットの継続にはプラスに働くかもしれません。
しかし、カロリー収支を無視してマカだけで痩せることは、当然ながら期待できません。
結局のところ、体脂肪を落とす主役は
- 総摂取カロリーのコントロール
- たんぱく質の確保
- 日常の活動量(NEAT)
- 筋トレの頻度と強度
- 睡眠の質
といった基本です。
マカは、そのベースが整った上でのサポート役と考えた方が良いでしょう。
マカと性機能・ホルモンのエビデンス
一方で、マカの研究で一番データが多いのは「性機能」に関する部分です。
男性を対象とした複数の研究では、マカを8〜12週間ほど摂取することで、性欲スコアや満足度が改善したという結果が出ています。
また、抗うつ薬による性機能低下を抱える方に対して、マカを数グラム摂取させたところ、症状の改善が見られたという報告もあります。
さらに、更年期の女性を対象とした研究では、ホットフラッシュや気分の落ち込みが軽減したというデータもあり、マカがメンタル面や性機能にプラスに働く可能性は比較的期待できます。
ただし、ここでもポイントがあります。
血液検査でテストステロンやエストロゲンなどのホルモン値を測ると、多くの研究で大きな変化が見られていません。
つまり、
- マカは「テストステロンブースター」というより
- ホルモン値を大きく変えずに、性機能や気分といった「主観的な状態」に効いている可能性が高い
というイメージです。
マカの摂取方法と目安量
では、実際に飲むとしたらどうすれば良いのかを整理します。
マカサプリの形状としては、
- パウダー(プロテインやヨーグルトに混ぜる)
- カプセルや錠剤
- 濃縮エキスパウダー
などがあります。
研究でよく使われている用量は、
- 1日あたり約1.5〜3グラム
- 期間は6〜12週間程度
というパターンです。
現実的な使い方としては、
- 最初は1〜1.5グラムくらいからスタート
- 体調に問題がなければ2〜3グラムまで増量
- 長期の飲みっぱなしではなく、数カ月単位で効果と体調をチェック
という流れが無難です。
タイミングについては、はっきりした決まりはありません。
しかし、胃への負担を考えると、食後に1日2〜3回に分けて飲む方法が多く採用されています。
副作用と安全性、注意したいポイント
マカは元々、現地で長年食べられてきた食品であり、人を対象にした研究でも大きな副作用は多く報告されていません。
そのため、短期的には比較的安全性の高いサプリと考えられています。
とはいえ、いくつか注意点もあります。
報告されることがある副作用としては、
- 胃のムカつきや下痢、ガス
- 頭痛やイライラ感
- ごくまれに、品質の悪い製品による重金属汚染のリスク
などがあります。
したがって、
- 体調に違和感が出たらすぐ中止する
- 信頼できるメーカーの製品を選ぶ
この二つは最低限押さえておきたいところです。
さらに、次のような方は必ず医師に相談してから検討してください。
- 甲状腺の病気がある方
- ホルモン感受性のがんや疾病(乳がん、子宮体がん、前立腺の病気など)の既往がある方
- 妊娠中、授乳中の方
- ホルモン剤や抗うつ薬などを服用中の方
マカはホルモンそのものではありませんが、ホルモンバランスや甲状腺に間接的な影響を与える可能性が指摘されているため、この点は慎重に考える必要があります。
筋トレ・ダイエット目線でのマカの位置づけ
ここまでの内容を、筋トレとダイエットの視点から整理すると次のようになります。
まず、マカに期待できる可能性があるのは、
- 疲労感やストレス感が強い人のコンディションの底上げ
- 性欲や性機能の低下によるメンタルの落ち込みの改善
- 更年期やホルモン変化に伴う不調の軽減
といった部分です。
一方で、
- 直接的な筋肥大
- 目に見える筋力アップ
- 体脂肪の大きな減少
- テストステロン値の大幅上昇
といった効果は、現時点のエビデンスでははっきり示されていません。
結局のところ、ボディメイクの土台はいつも通り、
- カロリー管理
- PFCバランス
- 適切なトレーニングボリューム
- 睡眠とストレス管理
です。
マカは、そのベースができている人が、疲労感やメンタル面の不調を少しでも軽くしたいときに試してみる「プラスアルファのサプリ」として使うのが一番現実的です。
まとめ
マカは、アンデス原産の栄養価の高い根菜であり、サプリとしては主に
- 性機能や気分の改善
- 疲労感やコンディションのサポート
に対するエビデンスが少しずつ蓄積されています。
しかし、筋肉増量や脂肪燃焼を直接的に加速させる「魔法のサプリ」ではありません。
だからこそ、まずは食事、トレーニング、睡眠という土台を整えた上で、
それでも疲労感やメンタル面での不調が気になる場合に、マカを検討するくらいの距離感がちょうど良いと考えられます。
サプリはあくまで補助。
自分の体と向き合うことが、最短のボディメイクの近道です。
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