こんにちは。パーソナルジムEvolveの松下です。
今回は「むくみの原因と改善方法」、さらに「カリウムを摂ると良いって本当?」というところまで、トレーナー目線でわかりやすくまとめていきます。
まず前提として、むくみとは「皮膚の下(細胞と細胞の間)に水分がたまりすぎている状態」です。
体の中の水分は、大きく分けると次の3つの場所にあります。
・血管の中の水
・細胞の中の水
・細胞と血管の間(組織)の水
むくみは、このうち「組織側」に水が増えた状態です。そして、その水の出入りには次の4つが関わっています。
- 血管の中の圧力(血圧や静脈の渋滞)
- 血液中のたんぱく質(アルブミン)の量
- 血管の壁の壊れやすさ(炎症やケガなど)
- 余分な水分を回収するリンパの働き
これらのバランスが崩れたときに、体のある部分に水がたまりやすくなり、むくみとして現れてきます。
むくみの主な原因パターン
次に、現場でよく見る「むくみのパターン」を整理しておきます。
生活習慣・一時的なむくみ
・長時間の立ちっぱなし・座りっぱなし
・塩分の多い食事、アルコール
・暑い環境で血管が開きやすい
・生理前や妊娠中のホルモン変化
このタイプは、夕方になると足首やふくらはぎがパンパンになり、朝起きると少しマシ…という人が多いです。
静脈の問題(静脈瘤・慢性静脈不全など)
・足の血液が心臓へ戻りにくい
・片側〜両側の足にだるさ・重さ・むくみ
・血管が浮き出る、皮膚の色が茶色っぽくなることもある
トレーニング現場でも「脚が重い」「こむら返りが多い」と訴える方の中には、こういった静脈系の問題を抱えているケースがあります。
リンパの問題(リンパ浮腫)
・がん手術でリンパ節を取ったあと
・放射線治療のあと
・先天的にリンパの流れが弱い
片側に強く出ることが多く、だんだん硬く、重くなっていきます。
完全にゼロに戻すのは難しいですが、専門的なケアでかなり軽くできます。
全身の病気によるむくみ
・心不全
→ 足のむくみに加えて、息切れ、動くと苦しい、横になると苦しい など
・腎臓の病気
→ 顔やまぶたのむくみ、尿の量や性状の変化、血圧上昇
・肝臓の病気
→ お腹の張り(腹水)、だるさ、黄疸など
・重い栄養不足・低たんぱく血症
→ 全身がふわっとむくみやすくなる
こういったケースでは、「むくみ=結果」であって、本体は内臓の病気です。
薬によるむくみ
・高血圧薬(一部のカルシウム拮抗薬など)
・ホルモン系の薬
・一部の糖尿病薬や鎮痛薬
薬を飲み始めてから、特に足のむくみが出てきた場合は、自己判断で中断せず、処方している医師に相談するのが大切です。
危険なタイプ(血栓など)
・片脚だけが急にパンパンに腫れる
・痛い・熱い・赤い
・歩くと強く痛む
このような場合は、深部静脈血栓症(DVT)の可能性があり、肺に飛べば命に関わる肺塞栓になることもあります。
このパターンは、むくみというより「緊急対応が必要な症状」として扱うべきです。
原因別:どの改善方法が合いやすいか
ここからは「どんなむくみに、どんな対策がハマりやすいか」を整理していきます。
医療行為ではなく、あくまで一般的な方向性として読んでください。
| むくみの特徴 | よくある背景 | 相性がいい対策 | 注意点・受診の目安 |
|---|---|---|---|
| 夕方だけ足がパンパン、朝はマシ | 立ち仕事・デスクワーク・塩分多め | 1時間に1回立って歩く、かかと上げ・足首回し、脚を高くして休む、塩分を控える | 数週間生活を変えても全く変わらない・悪化していくなら受診 |
| 足の表面の血管が浮き出る、だるい・重い | 静脈瘤・慢性静脈不全 | 専門医の指示での弾性ストッキング、長時間同じ姿勢を避ける、脚を上げて休む | 強い圧迫を自己判断で使うのは危険 |
| 片側だけ、少しずつ太く硬くなる | リンパ浮腫 | リンパ外来受診、専用ストッキング、リンパドレナージ、運動療法 | 早めに相談すると悪化をかなり防げる |
| 足のむくみ+息切れ・動悸・疲れやすさ | 心臓・肺の病気 | 循環器・内科で評価、薬物療法や生活指導 | 胸痛・急な息切れを伴う場合は救急も検討 |
| 朝から顔やまぶたがむくむ | 腎臓・甲状腺など | 内科・腎臓内科・内分泌内科で検査 | 尿の異常(泡立ち・極端に多い/少ない)もあるなら早めに受診 |
| 新しい薬を飲み始めてからむくみが出た | 薬剤性 | 医師に「むくみが出ている」ことを相談 | 自己判断での中止や増減はNG |
この表のイメージとしては、
・時間帯で変化するむくみ → 生活習慣や静脈系の影響が濃い
・片側だけ・硬くなっていく → リンパや血栓などの可能性
・むくみ+息切れ・胸の症状・尿の異常 → 内臓のサイン
という感じでざっくり見ておくと、対応の方向性が見えやすくなります。
生活習慣由来のむくみに効きやすい基本対策
次に、「今日からできること」を具体的にまとめます。
ふくらはぎポンプを動かす
まず意識したいのが「同じ姿勢で固まらないこと」です。
・1時間に1回、椅子から立って数分歩く
・座り仕事なら、座ったまま
かかと上げ・つま先上げ・足首くるくる
ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれ、血液を心臓に戻すポンプの役割を果たします。
ここをよく動かすだけで、むくみがかなり変わる人も多いです。
脚を心臓より高くして休む
次におすすめなのが「重力を味方につける」ことです。
・横になって、クッションや座布団で足を少し高くする
・ソファに寝転んで、背もたれに脚を乗せる
これだけでも静脈とリンパの流れが良くなり、むくみが引きやすくなります。
塩分を少しだけ減らす
そして、食事の面では「無理のない範囲で塩分を減らす」がポイントです。
・汁物の汁を全部飲まない
・カップ麺、スナック、ハム・ソーセージなど加工食品を少し減らす
・外食が続いた翌日は、家で薄味の和食寄りにする
完璧を目指す必要はありませんが、「濃い味の回数を減らす」だけでも、むくみやすさは変わってきます。
体を締め付けるものを減らす
また、意外な盲点が「締め付け」です。
・キツいゴムの靴下
・ベルトを強く締める
・強すぎる補正下着
こういったものは、血流とリンパの流れを邪魔しやすいので、長時間つけっぱなしは避けたほうが無難です。
水分は「極端に我慢しない」
ダイエット中の方に多いのが、「むくむから水を飲まない」というパターンです。
しかし、極端に水を我慢すると、体は逆に水と塩分をため込もうとします。
・医師から水分制限を受けていない人
→ 喉が渇いたら普通に水分をとる
このくらいでOKです。むしろ汗をかいた日はしっかり飲んだほうが安全です。
軽いマッサージやストレッチ
さらに、血液やリンパの流れを促すために、
・心臓の方向に向かってやさしくさする
・足首・膝・股関節を大きく動かすストレッチ
こういったケアをプラスするのも有効です。
カリウムは本当にむくみに効くのか?
ここからがよくある質問です。
「むくむならカリウムをとると良い」と聞いたことがある人は多いと思います。
結論としては、
・むくみ対策にカリウムは「条件付きで“本当”」
・ただし「誰でもどれだけとっても安全」というわけではない
という少し慎重なスタンスになります。
カリウムとナトリウムの関係
まず、体の中では
・ナトリウム(塩分)=水を体内に引き込む側
・カリウム = 余分なナトリウムを外へ追い出す側
こういう役割があります。
腎臓では、カリウムがナトリウムの排泄をサポートしてくれるので、
・塩分を摂りすぎている
・それによってむくみやすくなっている
こういうタイプの人にとっては、カリウム多めの食事がプラスに働きやすいです。
カリウムを多く含む食品
カリウムは、サプリだけでなく普通の食品にもたくさん含まれています。
・野菜
ほうれん草、小松菜、アボカド、ブロッコリー、かぼちゃ、じゃがいも など
・果物
バナナ、キウイ、みかん など
・その他
豆類、海藻類 など
健康な人であれば、こうした食品から「普通の量」をとる分には、基本的に問題ありません。
むしろ、むくみだけでなく血圧や健康全体の面でもプラスになりやすいです。
ただし、サプリのドカ飲みは別問題
一方で、カリウムサプリや高濃度のドリンクを自己判断で増やしていくのは注意が必要です。
・腎臓が健康な人
→ 食事からのカリウムなら、かなり余裕をもって処理できる
・腎機能が落ちている人
・糖尿病や高血圧で腎臓にダメージがある人
・心不全の人
こういった方は、カリウムがうまく排泄できないと、血中カリウムが上がり、不整脈などのリスクが出てきます。
重い場合は命に関わるので、
・むくむからといって、カリウムサプリを勝手に増やす
・スポーツドリンクや「カリウム豊富」をうたう飲料をガブ飲みする
こういった行動は、医師の許可なしではおすすめできません。
むくみ対策としての「賢いカリウム活用」
それでは現実的に、どうカリウムと付き合うのが良いかを整理します。
- まず前提として
・塩分を減らす(外食・スナック・カップ麺を少し控える)
・長時間同じ姿勢を避ける、脚をよく動かす - そのうえで
・野菜・果物・豆類・海藻など、「自然なカリウム源」を増やす
・これは、むくみだけでなく血圧や健康全体にもプラス - そして
・カリウムサプリや高濃度の飲料は「必須ではない」
・腎臓や心臓、糖尿病などの持病がある人は、必ず主治医に相談してから
つまり、「塩分を減らす + 食事から適量のカリウムをとる」このセットで考えるのが、むくみ対策としても、健康としても一番バランスがいいやり方です。
受診・救急の目安(ここはかなり大事)
最後に、「これはセルフケアで様子を見ず、医療機関を優先したほうが良いサイン」をまとめておきます。
・片脚だけが急に腫れて、痛い・熱い・赤い
・むくみと同時に
胸の痛み、急な息苦しさ、強い動悸、めまい、咳や血痰 などが出ている
・数日〜数週間で急に体重が増え、息切れや疲れやすさが強い
・顔や足のむくみと一緒に、尿の異常(極端に少ない、多い、泡立つなど)がある
・妊娠中で、急なむくみ+頭痛や目のちらつきがある
こういった場合は、むくみの裏側に心臓・腎臓・血栓などの問題が隠れていることがあるため、早めの受診を強くおすすめします。
まとめ:むくみは「体からの通知」
ここまでの内容を簡単にまとめると、
・むくみは「水が多いから」だけではなく
水を押し出す力・引き込む力・血管の漏れやすさ・リンパの排水
これらのバランスが崩れたサイン
・生活習慣由来のむくみなら
動く、脚を上げる、塩分を控える、締め付けを減らすことで改善しやすい
・カリウムは
塩分過多タイプのむくみには「食事から適量とる」範囲で有効
ただしサプリの自己判断増量や、腎臓に不安がある人のドカ飲みは要注意
という形になります。
パーソナルジムEvolveでは、トレーニングだけでなく、こういった「体の仕組み」を理解した上での食事・生活アドバイスも行っています。
「自分のむくみがどのタイプかよく分からない」「トレーニングと食事をセットで整えたい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
むくみを単なる「見た目の悩み」として終わらせず、体からの大事な通知としてうまく活用していきましょう。
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