2セット目で急に回数が落ちる…それ、筋肉だけの問題じゃない

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筋トレをしていて、1セット目は余裕で10回できたのに、2セット目に入ったら8回しかできなくなった。こんな経験、ありませんか?

多くの方は「筋肉が疲れたから」と考えがちです。ところが実際には、単なる筋肉疲労だけでなく、神経ドライブの低下が強く関与しているケースが多いです。

神経ドライブとは、脳や神経が筋肉に対して「出力を上げろ」と命令を送る力のこと。つまり、筋肉が動かないのではなく、動かす指令そのものが弱くなる日がある、という話です。

この記事では、2セット目からレップ数が激減する原因を3つに分けて整理し、さらに明日から使える対策を科学的に深掘りします。2セット目以降も良質なトレーニングをしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。


2セット目でレップが落ちる原因は3つ

・原因1:神経系の疲労(中枢神経系・末梢神経系)
・原因2:筋肉内のエネルギー不足(クレアチンリン酸系の回復不足)
・原因3:代謝ストレス(代謝産物の蓄積による出力低下)

そして重要なのは、これらが単独で起こるというより、混ざり合って起こることです。だからこそ、対策も1つだけでなく、複数を組み合わせるほど効果が出やすくなります。


神経系の疲労:中枢疲労と末梢疲労

まず1つ目が神経系の疲労です。ここで間違えやすいのが「筋トレの疲労=筋肉疲労」と決めつけてしまうこと。

しかし、1セット目から2セット目のレップ低下は、筋肉そのものより神経の要素が絡みやすいです。

神経は大きく2つに分かれます。

・中枢神経系:脳や脊髄など、筋肉に命令を送る司令塔
・末梢神経系:脊髄から筋肉へ伸びる神経(実際に筋肉を動かす回路)

それぞれ疲労の出方に特徴があります。

中枢神経系が疲労している時に起こりやすいこと
・やる気が出ない
・集中できない
・頭が重い
・出力が上がらない

末梢神経系が疲労している時に起こりやすいこと
・気持ちは乗っているのに、レップが伸びない
・頑張っているのに、出力が空回りする感覚がある

つまり、2セット目のレップ低下は「筋肉の問題」というより「指令と伝達の問題」が混ざっている可能性が高い、ということです。


筋肉内のエネルギー不足:主役はクレアチンリン酸

2つ目の原因は、筋肉内のエネルギー不足です。

エネルギーと聞くと、糖質(ご飯)を思い浮かべる方が多いかもしれません。もちろん糖質も重要です。ただし、筋トレのような短時間・高強度の運動で主役になりやすいのは、クレアチンリン酸(ATP-CP系)です。

クレアチンリン酸は、クレアチンを材料にして作られます。したがって、クレアチンの貯蔵が少なかったり、回復が間に合わなかったりすると、2セット目以降の出力が落ちやすくなります。

また、クレアチンリン酸の回復には時間が必要です。生理学的な回復の目安としては、ざっくり次のように語られることが多いです。

・30秒で約50%回復
・1分で約75%回復
・2分で約90%回復
・3分でほぼ回復

つまり、休憩が短いと、燃料タンクが戻りきらないまま次セットに突入しやすいわけです。だから、2セット目で回数が落ちるのは、ある意味で自然な現象でもあります。


代謝ストレス:乳酸だけが悪者じゃない

3つ目が代謝ストレスです。

代謝ストレスと聞くと「乳酸が溜まって疲れる」と思う方もいるかもしれません。しかし近年では、乳酸はエネルギー源になったり、シグナル分子として働く側面も注目されています。

一方で、疲労を強める要因としては、水素イオンや無機リン酸など、筋収縮を邪魔しやすい代謝産物の蓄積が関与する、という考え方があります。

つまり、パンプが強すぎる、焼ける感じが強い、動作が重い。こうした状態では、2セット目以降のレップが落ちやすくなります。


2セット目でも出力を落とさない科学的アプローチ

ここからは、3つの原因をできるだけ減らすための実践方法をまとめます。難しいことは不要です。むしろ、やることはシンプルです。

セット間休憩時間を最適化する(まずは2分)

休憩が短すぎると、神経疲労が抜けません。さらに、クレアチンリン酸も回復しません。加えて、代謝産物も除去しにくくなります。なので、まず休憩が最優先です。

動画内では、2024年のベイズメタ解析による系統的レビューに触れ、60秒以内の休憩では2セット目以降のトレーニングボリュームが低下しやすい、という文脈が語られていました。

そこで、まずの基準はこれでOKです。

・いま60秒休憩なら、まず2分にする
・それでも落ちるなら、原因に直接アプローチする

中枢疲労を増やす行動を減らす(睡眠と休憩中のスマホ)

中枢神経系の疲労が出やすい代表例が、睡眠不足です。睡眠が足りないと、出力も集中も落ちやすくなります。だから、睡眠は最優先です。

そして意外な落とし穴が、セット間休憩中のデジタルデバイスです。休憩中にスマホを触ると、思っている以上に脳が切り替わり、集中の戻りが遅くなることがあります。

もし、1セット目は大丈夫でも、スマホを触った後にやる気が落ちたり、頭が重くなったりするなら、中枢疲労の関与を疑ってみてください。

セット間に呼吸を入れて自律神経を整える(口すぼめ呼吸)

末梢神経系の疲労へのアプローチとして、動画では呼吸が推奨されていました。理由はシンプルで、呼吸は自律神経に介入しやすいからです。

動画内では、2021年にルーベンカトリック大学で検証された呼吸法の比較に触れ、口すぼめ呼吸が心拍や血管機能などに良い影響を示した、という流れが語られていました。

実践は簡単です。

・鼻から吸う:2秒
・口をすぼめて吐く:4秒
・吸う:吐く=1:2を意識
・セット間に20〜40秒だけでもやる

ポイントは、吐く時間を長くすること。これにより、焦りが落ち、集中が戻りやすくなります。結果として、2セット目の出力が整いやすくなります。

クレアチン摂取で短時間出力の土台を作る

筋肉内エネルギー不足の対策は、クレアチンの摂取と休憩の両方です。

動画内では、筋細胞1kgあたりの貯蔵量の目安や、1回のトレーニングで使われる量の目安、そしてローディングの話にも触れられていました。

ここで大事なのは、ローディングが絶対ではないこと。毎日コツコツ摂取でも、数週間で筋肉内のクレアチンは十分に満たされていく、という考え方です。

まずはシンプルに、継続しやすい形でOKです。

・クレアチンを継続する
・セット間休憩を確保する
この2つをセットで実施する

代謝ストレス対策にマッサージ(マッサージガン、または手)

最後に、代謝ストレスへのアプローチです。

動画内では、2021年のマラガ大学のデータとして、セット間にマッサージガンを使うことで、2セット目以降のレップ低下が抑えられ、合計反復回数が増加した、という話が紹介されていました。

もちろんジムにマッサージガンを持って行けない方もいます。その場合は、手で軽くさするだけでもOKです。特に張りや痛みが強い部位ほど、試す価値はあります。

目安はこれです。

・セット間に20〜30秒、使った筋に軽く当てる(強くやりすぎない)
・呼吸と組み合わせるとさらにやりやすい


【まとめ】2セット目のレップ低下は、設計でかなり改善できる

2セット目でレップが落ちるのは、筋肉だけの問題ではありません。神経ドライブの低下、クレアチンリン酸の回復不足、代謝ストレスの蓄積。これら3つが混ざることで起こりやすくなります。

そして対策もシンプルです。

・休憩はまず2分にする
・休憩中はスマホを避け、集中を切らない
・吸う:吐く=1:2の口すぼめ呼吸を入れる
・クレアチンを継続して土台を作る
・余裕があればセット間に軽いマッサージを入れる

これだけで、2セット目以降の質はかなり変わります。
2セット目からも良質なトレーニングを実現して、筋肉を育てていきましょう。

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