筋トレで重曹(炭酸水素ナトリウム)が役立つ場面は、主に高レップや短い休憩で、セット後半が焼けるようにキツくなるときです。つまり、筋肉が酸性に傾いて出力が落ちるタイミングを、ほんの少し先延ばしにするイメージです。
一方で、重曹は筋肥大を直接加速する魔法ではありません。しかし、同じ重量であと1〜3回伸びれば、トータルの仕事量(総レップ・総負荷)が増えます。そのため、結果としてトレーニングの質を底上げできる可能性があります。
重曹で何が起きる?仕組みをシンプルに
筋トレ後半で起きる「酸性化」が失速の原因になりやすい
キツいセットでは、解糖系(糖を使ってエネルギーを作るルート)が強く動きます。その結果として、筋肉内にH+(酸性に傾ける要因)が増え、筋肉内のpHが下がりやすくなります。
そして、このpH低下が進むと、力を出し続けるのが難しくなります。よく乳酸が悪者と言われますが、実際には「酸性化(H+の増加)」がボトルネックになる場面が大きい、という理解が近いです。
重曹は「血液側のバッファー」を増やす
重曹を摂ると、血液中の重炭酸イオン(HCO3-)が増えます。すると血液側の「酸を受け止める余裕」が増えるため、筋肉内で増えてくるH+を血液側へ逃がしやすくなります。
その結果、筋肉が酸性に傾くスピードがゆるみ、セット後半の失速が少し減る、という理屈です。言い換えると、重曹は筋肉の外(血液)から効くバッファー役です。
効きやすい筋トレ、効きにくい筋トレ
効きやすい:高レップ・短レスト・追い込み系
まず、高レップ帯(目安として8〜20回以上)で限界がくる種目は相性が良いです。さらに、休憩が短い(30〜90秒など)メニューほど、体感が出やすくなります。
たとえば、脚トレの高レップ、レッグプレスの追い込み、ブルガリアンスクワットの連続セット、スーパーセット、ドロップセット、ジャイアントセットなどです。要するに、パンプするほどキツい、呼吸も心拍も上がるタイプほど刺さりやすいです。
効きにくい:低回数・長レストの最大筋力寄り
一方で、1〜5回の低回数で長めに休む最大筋力寄りのメニューでは、酸性化がボトルネックになりにくいです。つまり、1RM狙いのベンチやスクワットで記録が跳ねる、というタイプのサプリではありません。
科学的根拠はどう見るべき?
研究全体としては、高強度運動のパフォーマンスを平均的に少し改善する可能性がある、という立ち位置が最もフェアです。筋トレに置き換えるなら、同じ負荷で総レップが少し増える、短い休憩でも反復が少し保ちやすい、といった方向に期待値を置くのが現実的です。
ただし、ここが重要です。単発でその日のパフォーマンスが上がることと、長期で筋肥大や筋力の伸びが上乗せされることは別問題です。なぜなら、胃腸トラブルでトレの質が落ちれば本末転倒ですし、そもそも筋肥大は総合点(種目選択・漸進性・回復・栄養)で決まるからです。
だからこそ、重曹は狙う日だけ使う、効く種目の日に寄せる、という運用が合理的です。
実践:筋トレでのおすすめ摂取法(失敗しにくい順)
ここからは、現場で事故りにくい形に落とします。ポイントは、効かせることより、お腹を壊さないことです。
1)まずは少量でテストする
最初から多めにいくと胃腸が荒れやすいです。そこで、まずは0.1〜0.2g/kgで試してください。体重70kgなら7〜14gが目安です。まずはここで、胃腸が安定するかを確認します。
2)問題なければ王道ラインへ
問題がなければ、0.2〜0.3g/kgが現実的な本命です。体重70kgなら14〜21g。とはいえ、多いほど効くとは限りません。むしろ副作用が増えやすいので、0.3g/kgは上限寄りとして扱うのがおすすめです。
3)タイミングは60〜150分前を目安に
重曹は飲んだ瞬間に効くタイプではありません。一般的には運動の60〜150分前あたりが狙い目になりやすいです。
ただし個人差が大きいので、同じ条件で2〜3回試して、自分の当たり時間を探すのが最短ルートです。
4)分割して飲む(最重要)
一気飲みは失敗率が上がります。だから、15〜30分おきに2〜4回に分ける。さらに、軽い食事(特に炭水化物)と一緒に摂る。これだけで成功率が上がります。
よくある失敗と対策
失敗1:下痢・吐き気でトレどころじゃない
対策はシンプルです。量を下げる、分割回数を増やす、食事と一緒にする。そして、大事な日にぶっつけ本番をしないことです。試合や撮影がある人ほど、練習日でテストしてから使いましょう。
失敗2:塩分でむくむ感じがする
重曹はナトリウムを含みます。そのため、体質によっては一時的に水分を持ちやすいことがあります。ただし、筋トレのパフォーマンス目的なら、むくみが必ずしも悪とは限りません。
とはいえ、血圧が気になる人やナトリウム制限がある人は避けるのが安全です。
失敗3:効いてる気がしない
まず、効く種目を選べているかを確認してください。低回数・長レストの日に使っても体感しにくいです。逆に、高レップ短レストの脚や追い込み日に使うと、体感が出やすい傾向があります。
また、期待値が大きすぎるケースも多いです。重曹はあと数回の上乗せ、くらいのスケール感がちょうどいいです。
注意点(安全のために)
重曹は食品としても身近ですが、サプリとしては効く量がそれなりに多いのが特徴です。そのため、体調や持病によってはリスクになります。
高血圧、腎機能に不安がある、むくみやすい、ナトリウム制限がある、胃腸が弱い、薬を使っている。こういった場合は特に注意してください。
また、摂りすぎは体がアルカリに傾きすぎる可能性もあります。だから、量は守る。そして、体調が悪い日はやめる。これが鉄則です。
Evolve的おすすめ:使うならこの日
重曹は、やる日を選ぶほど光ります。たとえば、脚の高レップデー、短レストでパンプを狙う日、追い込みで総レップを稼ぎたい日。ここに合わせるのが一番コスパが良いです。
そして、伸びた分だけ雑に回数を稼ぐのではなく、フォームと可動域を守った上で、質の高い反復を1〜3回上乗せする。これが筋トレに効く重曹の使い方です。
まとめ
重曹は、筋トレ後半で起きやすい酸性化に対して、血液側のバッファー能力を高めることで、高レップの粘りを少し伸ばす可能性があります。
ただし、効くのは主に高レップ・短レスト・追い込み系です。したがって、最大筋力の日に期待しすぎないことも大切です。
さらに、最大の敵は胃腸トラブルです。だから、少量からテストして、分割して、狙う日にだけ使う。これが最も再現性の高い方法になります。
パーソナルジムEvolveでは、目的(筋肥大・ボディメイク・競技)に合わせて、こうしたサプリの使い所も含めてトレーニング設計を行っています。必要なら、あなたのメニューだとどの日に重曹が刺さるかまで具体的に落とし込みます。
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