忘年会、新年会、職場の飲み会。つまりこの時期は、どれだけ気をつけていてもアルコールを摂る日が続きがちです。そして多くのトレーニング実践者がこう不安になります。「アルコールで筋肉が減るんじゃないか」「せっかく鍛えたのに、今日の飲み会で全部パーになるのでは?」と。
実際に、アルコールは筋タンパク合成を低下させる可能性があります。最大37%低下と報告された研究も紹介されています。だからこそ、何も対策をしなければ減量やボディメイクにとって厄介な相手になり得ます。とはいえ、ご安心ください。スポーツ科学をもとに「悪影響を限りなく小さくする具体策」は存在します。
しかも、その方法は難しい食事管理が必須ではありません。さらに、特別なサプリに依存する必要もありません。筋トレも楽しみたい。だけど仲間とのお酒の時間も大切にしたい。そんな方のために、科学的に筋肉を守る7つのルールを、現場で使える形にまとめます。
最新データの要点|日本人では「30g/日」を超えると筋肉量が落ちやすい
まず、日本人を対象とした最新データとして、2025年に大阪の医療系大学から発表された研究が紹介されました。対象は1万9914名。アルコール摂取量によって筋肉量がどう変化するのかを調査しています。
結論としては、1日30g未満のアルコール摂取量であれば、筋肉量への悪影響は大きくは出にくい一方で、30g以上の摂取によって筋肉量の低下が確認された、という内容でした。つまり「量」が最重要の変数になります。
目安として、1日30gはビールなら中瓶2本分、焼酎なら約180ml、ワインならグラス3杯程度が例として語られていました。したがって、飲み会が続く時期ほど「平均摂取量」が効いてきます。
筋トレにとってアルコールが厄介な理由
体内で起きる変化(筋肉に不利になりやすい要因)
次に、なぜここまでアルコールが筋肉に不利になりやすいのか。動画内では、いくつかの要因がまとめて挙げられていました。
- アルコール摂取で生じるアセトアルデヒドによる筋細胞へのダメージ
- 腸内環境(腸内細菌バランス)の悪化
- テストステロンの低下
- 成長ホルモン分泌の抑制
- 肝機能低下に伴う代謝の乱れ
速筋(タイプ2線維)への示唆
さらに、2025年に京都府立の医科系大学から発表されたデータとして、マウス研究ではあるものの、タイプ2の速筋線維がアルコールの影響で破壊されやすくなる可能性が示された、という話も紹介されました。
筋力トレーニングの狙いは速筋線維の発達にあります。だからこそ、アルコールは筋トレの目的そのものと衝突しやすいわけです。
とはいえ、ノミュニケーションという言葉があるように、アルコールはコミュニケーションの良き相棒でもあります。そこで重要なのが、完全シャットアウトではなく「生理学的に理解して、悪影響を最小化する」戦略です。
アルコールの筋分解リスクを限りなく抑える|7つのルール
ここから、動画内で提示されていた「たった7つのルール」を順番に整理します。どれか1つでも意識するだけで、ダメージは小さくできます。
ルール1:お酒の量を決める(体重1kgあたり0.5gが目安)
まず当たり前ですが、アルコール量が増えるほど筋分解リスクも高まります。ただし「どのくらいがNGか」が曖昧になりがちです。そこで紹介されたのが、2014年にクイーンズランド工科大学から報告された研究です。
この研究では、筋トレ後にアルコールを摂取すると、血中アミノ酸濃度の低下が起きやすいとされました。さらに、筋タンパク合成に関わるシグナル伝達(mTOR系の説明として語られていました)が抑制され、筋タンパク合成率が25〜37%低下した、という結果が紹介されました。
そして、強い抑制が起きやすい量として「体重1kgあたり1.5g」のアルコール摂取が挙げられていました。例えば体重80kgなら120g相当です。換算例として、ワイン約1L、ウイスキー300ml、ビール3.6L程度が示されていました。
一方で、影響を与えにくい最低限の目安として「体重1kgあたり0.5g」が提示されています。例えば体重70kgなら35g相当です。例として、ワインなら約300ml(グラス2杯程度)、ウイスキーならショット3杯、ビールなら中瓶1.5本程度という説明でした。
つまり、まずは量をコントロールできる人ほど勝ちやすい、ということです。
ルール2:飲む日は筋トレをしない(少なくとも筋トレ後8時間以内は避ける)
次に重要なのがタイミングです。筋トレ後は筋タンパク合成が高まり、筋肉が育つ流れに入ります。ところが、その時間帯にアルコールを入れると、その反応を弱めやすい。したがって、動画内では「筋トレ後8時間以内はアルコールを避ける」ことが推奨されていました。
そして、飲み会がある日は筋トレを休みにする、という設計が最も素直で強い選択になります。もちろん連日飲み会がある時期は難しいです。だからこそ、ここから先のルールが効いてきます。
ルール3:おつまみは枝豆を選ぶ
続いて、おつまみの選び方です。枝豆に多く含まれるメチオニンというアミノ酸が、肝臓の保護や解毒作用に関与しやすい、という趣旨で紹介されていました。さらに、アルコール分解にも関わるため、枝豆は「筋肉を守るおつまみ」として推奨されています。
そして現場目線でも、枝豆は余計な糖質や脂質に寄りにくいので、減量中でも扱いやすい選択肢です。
ルール4:飲み会前に「プロテイン25g+マルトデキストリン25g」を入れる
ここは動画内でかなり強調されていました。先ほどの研究の文脈で、飲酒前にホエイプロテイン25gを摂取すると筋タンパク分解が24%減少した、というデータが紹介されました。
さらに、ホエイ25gにマルトデキストリン25g(糖質)を足すと、筋タンパク分解が37%減少した、という内容でした。つまり、飲み会をゼロにできないなら、体に入ってくるアルコールに備えて「材料とエネルギー」を先に入れておく戦略です。
実践としては、シェイカーに粉だけ入れて持っていき、飲み会前に水を加えて飲む。これなら手間も少なく続けやすいです。
ルール5:水分をしっかり摂る(酒と水を交互に)
アルコールには強い利尿作用があります。そのため、飲み過ぎると確実に脱水へ寄ります。脱水は筋肉にも脳・体にも不利ですし、翌日のコンディションも落としやすい。だからこそ、十分な水分摂取が必要だと説明されていました。
目安としては、ビール中ジョッキ1杯ごとに水200ml。つまり「お酒→水→お酒→水」と交互に飲む方法です。騙されたと思って試してほしい、という強い推奨がありました。
ルール6:お酒の種類を選ぶ(第一候補は赤ワイン、1杯目はノンアルビールも強い)
赤ワインが候補になる理由
次は「何を飲むか」です。2020年の研究として、レスベラトロールが体重、BMI、脂肪、ウエストサイズを減少させ、筋肉増加にも関与し得る、というメタ分析が紹介されました。効果量は0.2〜0.4程度(軽度〜中等度)と説明され、大きすぎる効果ではないものの、方向性としてはプラスだという話です。
そして、そのレスベラトロールを多く含むのが赤ワインです。さらに、赤ワインにはポリフェノール由来の抗酸化作用があり、炎症や酸化ストレスの緩和に関わり得る、という説明もありました。
1杯目はノンアルでも戦える
一方で、飲み会の1杯目はビール文化が強い場面もあります。そこで推奨されていたのがノンアルコールビールです。2011年のミュンヘンの大学研究として、マラソン実施者277名を対象に比較した結果が紹介されました。
レース前3週間とレース後2週間に、ノンアルコールビールを毎日約1〜1.5L飲む群とプラセボ群を比較。その結果、炎症レベルが大きく軽減し、風邪予防レベルが3.25倍まで向上した、という内容でした。
避けたいお酒の方向性
さらに、2022年のレビューではノンアルコールビールの効果にポリフェノールが関与している可能性が示唆され、酸化ストレスの軽減や免疫機能のサポートにも触れられていました。
逆に、カクテルやチューハイ、甘いサワー系はカロリーが高くなりやすい。糖質が多いぶん体重管理にも不利になりやすいので、控えめが推奨されていました。
ルール7:飲み会後は「質のいい睡眠」を取り戻す
最後は睡眠です。飲み会の後は「疲れてよく寝れた」と勘違いしやすいのですが、睡眠の質は下がりやすいと説明されていました。さらに、体内水分が減った状態だと睡眠の質が落ちやすいので、ルール5の水分摂取とも直結します。
特に30代以降は、1日だけ睡眠の質が下がっただけでも数日疲労感が残りやすい、という注意もありました。したがって、翌日はしっかり休む、環境を整える、という回復設計が重要です。
すぐ使える「飲み会当日の実践テンプレ」
- 量:体重1kgあたり0.5gを目安に抑える
- タイミング:飲む日は筋トレを基本オフ(やるなら時間を離す)
- つまみ:まず枝豆を選ぶ
- 事前:プロテイン25g+マルトデキストリン25gを飲み会前に
- 水分:酒と水を交互(ビール中ジョッキ1杯ごとに水200ml)
- 種類:1杯目はノンアル、飲むなら赤ワイン寄り
- 回復:水分と環境調整で睡眠の質を取り戻す
まとめ|筋トレもお酒も、両方楽しむために
アルコールは筋トレの敵になり得ます。なぜなら、筋タンパク合成を抑え、回復の土台(ホルモン、腸、肝機能、代謝、睡眠)を揺らしやすいからです。とはいえ、人生の質まで落としてまで完全に避ける必要はありません。
だからこそ、量、タイミング、枝豆、プロテイン+マルトデキストリン、水分、お酒の種類、睡眠。この7つのルールで、悪影響を限りなく小さくする。どれか1つでも意識すれば、筋分解リスクは確実に下げやすくなります。
筋トレもお酒も楽しみつつ、体も人生も、いい方向へ積み上げていきましょう。
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