筋トレのサプリというと、クレアチンやカフェインが定番です。ところが、夏場や高密度トレでは、そもそも水分状態がパフォーマンスを大きく左右します。そこで候補に上がるのがグリセロールです。
先に結論を言うと、グリセロールは筋力を直接ブーストするサプリというより、体内に水分を保持しやすくして「暑さや発汗で起きる失速」を抑える道具です。つまり、刺さる日には刺さる一方で、いつでも誰でも効く万能サプリではありません。
結論:グリセロールは出力アップではなく、失速対策
まず押さえてほしいのは、グリセロールの役割は「上げる」より「落ちるのを遅らせる」ことです。たとえば、夏の脚トレでセット後半に回数が急に落ちる人、サーキットで呼吸も脚も先に終わる人、こういうタイプは理屈が噛み合いやすいです。
一方で、空調が効いたジムで60分前後、しかも給水が自由にできるなら、体感差が出ないことも珍しくありません。したがって、使うなら目的と状況を絞るのが正解です。
グリセロールとは?なぜ水分をためられるのか
グリセロール(グリセリン)は、体内にも存在する成分で、中性脂肪の構造にも関わります。では、なぜ運動の文脈で話題になるのかというと、グリセロールには浸透圧に関わる性質があり、一緒に摂った水分が尿として出にくくなり、体内に残りやすくなるためです。
その結果として、体内の水分量(総体水分)が増えやすくなります。さらに、血液の液体成分(血漿)も増えやすくなる方向に働くので、暑さや発汗でコンディションが崩れる状況ほどメリットが出やすくなります。
仕組み:水分保持が筋トレ後半に効きやすい理由
筋トレで後半が崩れる原因は、筋肉の疲労だけではありません。実際には、体温上昇、心拍の上がり方、発汗による水分低下など、全身の負担が積み重なって「同じ重量が重く感じる」状態になります。
そこで、グリセロールで事前に水分を確保できると、状況によっては次のような方向に働きます。
・発汗で水分が抜けても、パフォーマンスが落ちにくい
・体温上昇や循環の負担が増える状況で、崩れ方がマイルドになる可能性がある
・結果として、セット後半のレップ低下が少し抑えられる可能性がある
つまり、グリセロールは筋肉を強くするというより、悪条件で落ちる分を守る発想のサプリです。
筋トレで期待できる影響は3つ
1. 後半のレップ低下を抑える可能性
脱水が進むほど、筋持久力や高強度の繰り返しは不利になりやすい、という整理があります。だからこそ、汗だくで後半に回数が落ちる人ほど、グリセロールの恩恵が出る可能性があります。
ただし、ここで勘違いしてほしくないのは、涼しい日や短時間トレでは差が小さくなりやすい点です。したがって「夏の脚トレ」「高密度の日」「二部練」などに狙って使うのが合理的です。
2. パンプ感・体重増(多くは水分)
体内水分が増えやすいので、張りが出たように感じたり、体重が増えたりします。とはいえ、これは筋肥大そのものではなく、水分による変化が中心です。つまり、見た目の変化を「筋肉が増えた」と誤解しないように注意が必要です。
一方で、撮影やイベント前など、見た目の張りを一時的に狙う文脈ではプラスに働く場合もあります。目的が違えば評価も変わる、ということです。
3. 細胞の膨らみ(セルスウェリング)と筋肥大シグナルの可能性
細胞が膨らむこと自体が合成方向のシグナルになりうる、という考え方はあります。だからこそ「水分が入るなら筋肥大にも効くのでは?」という話が出てきます。
ただし、現時点では、グリセロール摂取が筋肥大を直接伸ばすと強く言い切れるほど、人のデータが揃っているわけではありません。したがって、筋肥大の本体は、結局は総負荷量と継続です。
エビデンス:効くなら暑熱・長丁場・発汗が絡む
グリセロール研究の中心は、持久系運動と暑熱環境です。メタ解析では、グリセロールを使った過水和が水分保持を高め、水だけの過水和より有利になりうる、という整理がされています。さらに、摂取目安(用量・水分量・タイミング)もガイドラインでまとめられています。
そして筋トレに落とし込むなら、話はシンプルです。脱水が筋力やパワー、レジスタンストレーニングの遂行に影響しうるなら、脱水を抑える戦略は「後半の崩れ」に対して意味が出る可能性があります。
ただし、条件が軽ければ差は小さくなります。つまり、普段の給水が上手い人ほど「よく分からない」で終わることもあります。
向いている人・向いていない人
向いている可能性が高い
・夏場に汗だくで、後半のレップが明らかに落ちる
・レスト短めの高密度トレ(サーキット、脚トレ長丁場など)で崩れやすい
・二部練や移動が多く、給水タイミングが乱れがち
向いていない(差が出にくい)
・空調が効いた環境で、60分前後、給水もこまめにできている
・普段から水分と電解質の管理ができていて、夏でも失速しにくい
使い方の目安:研究のプロトコルと、筋トレ向けの現実解
研究やガイドラインでよく提示される方法は、体重あたりグリセロール約1.2g/kgと、体重あたり約26mL/kgの水分を、約60分かけて摂り、運動30分前までに終える、というものです。
しかし、この方法を筋トレ前にそのまま再現すると、胃がタプタプになりやすいのが現実です。だからこそ、筋トレでは次の順番が失敗しにくいです。
・まず練習日で試す(本番でいきなりやらない)
・水分は一気飲みせず、分割して摂る
・汗が多い日は、水だけに偏らず電解質(特にナトリウム)も意識する
・毎日ではなく、夏の勝負日や長丁場の日に絞る
つまり、グリセロールは「必要な日にだけ使う道具」として設計した方が、体感も安全性も両立しやすいです。
デメリットと注意点(ここが一番大事)
グリセロールは便利そうに見えますが、クセが強いです。したがって、次の注意点は必ず押さえてください。
・体重が増える(多くは水分)。減量中や階級制スポーツでは不利
・吐き気、腹部の張り、頭痛などが出ることがある(特に水分量が多いと起きやすい)
・水だけを過剰に入れると体調を崩すリスクが上がるので、汗が多い日は電解質も重要
また、腎疾患、心疾患、高血圧など治療中の場合は、体液量が増えること自体がリスクになり得ます。該当する方は、使用前に医療者へ相談してください。
競技者向け:ドーピングの扱い
グリセロールは、2018年の禁止表改訂で禁止から外れた経緯があります。ただし、競技団体の運用や別ルール(点滴など)が絡む場合もあるため、試合がある方は自分の競技の最新規定を必ず確認してください。
まとめ:グリセロールは落ちるのを遅らせる戦略
グリセロールは筋力を直接押し上げるサプリではありません。しかし、暑さや発汗で後半が落ちる人にとっては、失速を抑える武器になり得ます。
この記事を読んでレベルアップ
ジムのご案内
パーソナルジムEvolveは完全プライベート・手ぶらOK・7:00〜23:00で通いやすい。
大阪京橋・都島のパーソナルジムです。その他オンライン食事指導も行っております。
詳細はこちらからご覧ください。
👉 京橋でパーソナルジムをお探しの方はこちら
👉 都島でパーソナルジムをお探しの方はこちら
👉 体験予約ページはこちら
👉オンライン食事管理(LINEにて食事指導と送信ください)


コメント