週1で維持?週2で伸ばす?最新研究で読む「筋トレ頻度」の最適解

筋力アップ

本文は、動画で解説した内容をブログ用に再構成したものです。

まず前提として、「いま伸ばしたいのか、それとも今の筋量を維持したいのか」で最適な頻度は変わります。そこで、本記事では週2回でどれだけ伸びるのか

そして伸ばした後を週1回・隔週1回で維持できるのかを、最新のデータとあわせて整理します。
さらに、とはいえ時間がない方向けに週1でも筋肥大を狙うための現実的なやり方もまとめます。

12週間・週2回のトレーニングはどれだけ伸びるのか

結論から言うと、未経験者であれば週2回でも大きく伸びます。というのも、今回参照した研究設計と同様に、上半身はベンチプレスなどのレジスタンス種目、下半身は自転車エルゴメータによる高強度インターバル(HIIT)を組み合わせた12週間のプログラムで、以下の増加が示されました。

  • 筋力:+31.6%
  • パワー:+57%
  • 除脂肪体重(FFM):+7.3%
  • 筋厚:+10.7%
  • 心肺機能:+20.4%

つまり、まずは週2回×12週間で基礎体力と筋の土台をしっかり作るのが合理的です。なお、この「レジスタンス+インターバル」という同時的(コンカレント)トレーニング設計の研究は、近年の大学研究でも追試されており、初期適応を得てから維持期の頻度を落としても効果を保てることが示されています。


その後の「維持期」はどの頻度が最適か

では、12週間で伸ばした後の維持はどうすべきでしょうか。結果は次のとおりです。

  • 週1回に減らす:パワーは−9.8%、筋力はほぼ変化なし、筋厚−0.9%、心肺機能は変化なし
  • 2週間に1回に減らす:パワー−10.9%、筋力−5.9%、筋厚−2.8%
  • 完全にやめる:パワー−39%、筋力−25%筋量は大幅低下(ほぼ元の水準)

したがって、最も避けるべきは「完全にやめる」ことです。
とはいえ、忙しい時期に週1回はなんとか確保できれば、3か月程度なら筋力や筋量の維持が現実的です。
さらに、隔週1回でも上げた能力の7〜8割(文献では約70〜95%)は保持できる。との報告があり、強度とボリュームをしっかり確保することが条件になります。


週1回でも「伸ばす」ことはできるのか?

結論として、短〜中期なら可能、ただし長期ではプラトーになりやすいです。なぜなら、fit20が関与した約1万5千人・7年規模の大規模解析では、週1回・20分の最小限トレーニングでも筋力は有意に改善しましたが、長期では頭打ち(伸びが止まりやすい)になることが示唆されました。

また、週1でも筋肥大は起こるという短期研究は複数ありますが、多くは8〜12週間のデータである。やはり長期で見ると伸びは鈍化します。したがって、「維持」目的なら週1でもOKだ。
しかし「成長」目的なら、どこかで頻度か総ボリュームを上げる設計が必要になります。


忙しい人のための「週1で伸ばす」現実的ルール3つ

では、時間が限られる中で週1でも筋肥大の“確率”を上げるには、どう設計すればよいでしょうか。ここからは実装ガイドラインです。

ルール1:分割法より全身法を採用する

まず、週1なら全身を一日で鍛えるのが合理的です。というのも、全身法は体脂肪の減少に有利だったとするランダム化試験が報告され、時間当たりの効率にも優れます。さらに、未経験者では全身法も分割法も筋量・筋力の伸びが同程度という報告もあります。つまり、「時短で外さない」設計として全身法が扱いやすいのです。

ルール2:アイソレーションよりコンパウンド種目を中心に

次に、多関節(コンパウンド)種目を主軸にします。なぜなら、同一時間で動員筋量を最大化しやすいからです。もっとも、単関節と多関節で筋肥大効果は概ね同等というメタ分析もあしたがっている。主軸はコンパウンド仕上げに狙い撃ちでアイソレーションという配分が、週1の限られた時間では現実的です。

推奨コンパウンド例:
デッドリフト/スクワット/ベンチプレス/懸垂(プル系)/ローイング系

ルール3:スーパーセットでボリュームを稼ぎ、時間を短縮

さらに、必要ボリューム(総セット数)を確保するためにスーパーセット(休憩短縮の連続実施)を活用します。というのも、筋肥大の用量反応は週あたり10セット/筋群以上で優位というメタ分析があり、週1ならその日に必要量を1回で積み上げる設計が要るからです。スーパーセットは筋肥大そのものを魔法のように高める根拠は限定的ですが、同等のボリュームを短時間でこなせる点で強力です。具体的には、**拮抗筋ペア(例:大腿四頭筋 × ハムストリングス)**の組み合わせが効率的です。


すぐ使える「週1フルボディ」テンプレ(目安90–120分)

  • A. 下半身(スクワット系) × 背中(プル系)をスーパーセット
    • バックスクワット 4–5セット(5–8回)
    • 懸垂 or ラットプル 4–5セット(6–10回)
      ※休憩は最小限で交互に
  • B. ヒップヒンジ × プレス系をスーパーセット
    • ルーマニアンDL 3–4セット(6–10回)
    • ベンチプレス 3–4セット(6–10回)
  • C. ローイング × サイドデルタ(必要なら)
    • バーベルロー 3セット(8–12回)
    • サイドレイズ 3セット(12–15回)
  • D. 仕上げ(任意)
    • HIITバイク 6–10分(20–40秒高強度/80–120秒低強度)

こうして、多関節を核に10セット/筋群前後を確保し、強度(相対負荷)は落とさないようにします。さらに、RIR(あと何回できるか)0–2回程度でまとめると、ボリューム×強度の両立がしやすくなります。


まとめ:頻度の指針

  • 伸ばす期(12週間)週2回で十分に伸びる
  • 維持期(3か月)週1回でも維持は現実的
  • さらに忙しい期隔週1回でも7〜8割は保持(ただし強度とボリュームの確保が条件)
  • NG:完全休止(筋力・筋量とも急激に低下)

以上を踏まえ、「伸ばす→維持→再び伸ばす」のサイクルを、業務の繁忙期に合わせて頻度を切り替えるのが、現実的かつ科学的な設計です。

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