最近なんだかやる気が出ない。
トレーニング中にいつもの重量が扱えない。
しかも、疲れているはずなのにぐっすり眠れない。
そんな状態が続くと、「自分が弱いだけなのかな」と落ち込みがちですよね。
ただ、こうした不調はメンタルの問題というより、ホルモンバランス、とくに「セロトニン」の乱れが関わっている可能性があります。
まずはセロトニンの役割を整理しつつ、そのうえで「増えすぎのデメリット」と「食事で整える方法」を見ていきましょう。
セロトニンとは何か?筋トレとメンタルの土台になるホルモン
セロトニンは、脳内の神経伝達物質の一つです。
ドーパミンやノルアドレナリンといった“興奮系”のホルモンをコントロールし、精神を安定させる役割を持っています。
そのため、セロトニンが不足すると、
- イライラしやすい
- 不安感が強くなる
- 気分の浮き沈みが激しくなる
といった「心のスタミナ切れ」が起こりやすくなります。
さらに重要なのは、セロトニンが睡眠ホルモン「メラトニン」の材料にもなるという点です。
つまり、セロトニンが適切に分泌されていると、寝つきが良くなり、睡眠の質も高まりやすくなります。
また、記憶力や集中力といった認知機能との関連も示されていて、勉強や仕事のパフォーマンスにも関わっています。
筋トレとの関係で考えると、セロトニンの最大のメリットは「精神の安定」と「継続のしやすさ」です。
気分が乱れている状態ではトレーニング自体がしんどくなりますし、セロトニン低下で睡眠の質が落ちれば、そもそもジムに行く気力が湧かなくなってしまいます。
セロトニンは“多ければ良い”わけではない
ここまで聞くと、「じゃあセロトニンは増やせば増やすほど良い」と思うかもしれません。
しかし、実はセロトニンには“増えすぎたときのデメリット”もあります。
一部の研究では、セロトニンの分泌が増えることで、
- 白色脂肪細胞への脂肪蓄積が進む
- 褐色脂肪細胞の代謝が抑えられる
ことが示されています。
白色脂肪細胞はいわゆる皮下脂肪・内臓脂肪で、「ため込みやすく落としにくい脂肪」です。
一方で、褐色脂肪細胞は脂肪を燃やして熱として消費してくれる“燃焼側”の脂肪です。
つまり、セロトニンが過剰になると、
- ためる脂肪:増えやすい
- 燃やす脂肪:働きにくくなる
という、体づくりには少し厳しい状態になる可能性があります。
さらに、セロトニンは骨密度の低下にも関与していると報告されています。
セロトニンが骨形成細胞(オステオブラスト)の働きを抑え、新しい骨の形成を邪魔してしまう可能性がある、というデータもあります。
筋肉は骨につきます。
だからこそ、筋肥大を狙ううえでは、筋肉だけでなく「骨量・骨密度」という土台も重要です。
このことから、
- セロトニンが少なすぎるのもNG
- セロトニンが多すぎるのもNG
であり、「正常範囲で整える」ことが非常に大切だと言えます。
サプリで一気に上げるのはNG。食事から“ゆっくり”整える
では、どうやってセロトニンを整えるべきか。
ここで安易に「セロトニンを増やすサプリ」に飛びつくのはおすすめできません。
理由はシンプルで、特定の成分をサプリで一気に大量摂取すると、
- 過剰摂取になりやすい
- ホルモンバランスを乱すリスクがある
からです。
一方で、食材として摂る場合は吸収がゆるやかで、体が必要な分だけ使い、余った分は自然と排出されます。
そのため、セロトニンを「正常範囲」で整えたいなら、まずはサプリより“食事からのアプローチ”が基本戦略になります。
ここからは、セロトニンの分泌を正常範囲で高め、心と体をリセットしてくれる5つの栄養素を紹介していきます。
セロトニンを整える5つの栄養素
① トリプトファン:セロトニンの“材料”になるアミノ酸
1つ目は、セロトニンの原料となる必須アミノ酸「トリプトファン」です。
いくつかの研究では、トリプトファンを食事から摂取するとセロトニンの分泌が高まり、気分が改善したと報告されています。
トリプトファンを多く含む代表的な食材は次の通りです。
- マグロ:100gあたり 約250mg
- 鶏胸肉:100gあたり 約240mg
- 卵:100gあたり 約167mg
- きなこ:100gあたり 約450mg
- 納豆:100gあたり 約240mg
筋トレ目線でおすすめなのは、やはり鶏胸肉・マグロ・卵・大豆系食品です。
特に、きなこはプロテインパウダーとの相性が良く、高品質な大豆たんぱくとトリプトファンを同時に摂れます。
トレーニング後のプロテインに、きなこをスプーン1〜2杯混ぜるだけでも、
「たんぱく質+トリプトファン」のコンボが簡単に完成します。
② 糖質:トリプトファンを脳に運ぶ“エスコート役”
2つ目は「糖質」です。
糖質を摂取するとインスリンが分泌され、トリプトファンが脳内へ運ばれやすくなり、その結果セロトニンレベルが上がることが示されています。
しかし、減量末期に極端な糖質制限をしてしまうと、
- 体重は落ちているのに、
- 心のエネルギーが先に削られる
という状態に陥りがちです。
いわゆる「体は絞れているのに、メンタルがボロボロ」というパターンです。
これは、糖質不足によってセロトニン分泌が低下し、気分が落ち込みやすくなることも一因です。
例えば、
- ご飯+牛肉・鶏肉
- ご飯+納豆+卵
といった組み合わせなら、「たんぱく質+トリプトファン+糖質」を一度に摂ることができます。
さらに、バナナにはセロトニン自体が含まれており、摂取後に血中セロトニン濃度が短時間で上昇したという報告もあります。
そのため、「プロテイン+バナナ」を筋トレ後の定番セットにするのは、かなり理にかなっています。
③ マグネシウム:メンタルの土台を支えるミネラル
3つ目は「マグネシウム」です。
うつ症状を持つ人を対象にした研究では、マグネシウムが豊富な食品を数週間摂取することで、
セロトニンの分泌が高まり、抑うつ症状のスコアが有意に改善したというデータがあります。
マグネシウムを多く含む食品としては、
- ナッツ類
- 全粒穀物
などが代表的です。ただし、ナッツはカロリー密度が高く、減量期には量をコントロールしづらいこともあります。
そこで、筋トレ勢に特におすすめなのが「オートミール」です。
オートミールは、
- マグネシウム豊富な全粒穀物
- 良質な糖質源
- 朝食に取り入れやすい
という3つのメリットがあります。
朝ご飯を白米からオートミールに切り替えるだけでも、「メンタル+パフォーマンスの土台」をじわじわ整えやすくなります。
④ 食物繊維:腸でセロトニンを生み出す“環境づくり”
4つ目は「食物繊維」です。
実は、体内に存在するセロトニンの90%以上は腸で作られていると言われています。
つまり、腸内環境が乱れている状態では、セロトニンの土台づくりがそもそも崩れてしまう、ということです。
食物繊維をしっかり摂ることで腸内細菌が増え、
その腸内細菌がセロトニン合成細胞を刺激し、セロトニンの産生が高まりやすくなります。
具体的には、
- オートミール(穀物由来の食物繊維)
- オオバコ(サイリウム)パウダー(水溶性・不溶性のバランス◎)
などが非常に使いやすい選択肢です。
特にオオバコパウダーは、毎日のプロテインにスプーン1杯混ぜるだけでOKです。
便の状態が悪い、ガスが溜まりやすい、お腹が張りやすい、という方は、まず腸内環境から整えていくことで、セロトニンの土台も整えやすくなります。
⑤ ビタミンB6:セロトニン合成を支える“影の立役者”
最後5つ目は「ビタミンB6」です。
ビタミンB6は、トリプトファンからセロトニンを合成する際に必要な“補酵素”として働きます。
そのため、ビタミンB6が不足していると、トリプトファンや糖質をしっかり摂っていても、セロトニン合成がうまく進まない可能性があります。
さまざまな食品に含まれていますが、ここでも「バナナ」が非常に優秀です。
バナナには、
- 糖質
- ビタミンB6
- セロトニンそのもの
がセットで含まれていて、筋トレ後のケアとして相性が良い食材です。
さらに、一部の研究では、バナナはスポーツドリンクよりも疲労感や炎症マーカーを下げるうえで有利だったという報告もあります。
つまり、「トレ後にプロテイン+バナナ」は、筋肉・メンタル・回復の3つを同時にケアできる、かなりコスパの良い習慣だと言えます。
セロトニンを意識した1日の食事イメージ
ここまでの内容を、実際の1日に落とし込むと、例えば次のようになります。
- 朝食:オートミール+プロテイン+きなこ+オオバコパウダー+バナナ
- 昼食:鶏胸肉+ご飯+納豆
- 夕食:マグロまたは鶏胸肉+ご飯+野菜
このように組むことで、
- トリプトファン
- 糖質
- マグネシウム
- 食物繊維
- ビタミンB6
をバランス良く散りばめながら、筋肉のためのたんぱく質も十分に確保できます。
「最近トレーニングが楽しくない」「メンタルが落ちてきた」と感じると、どうしても“根性の問題”にしがちです。
しかし、本当に見直すべきなのは、ホルモンの土台をつくる“食事”です。
セロトニンが整うだけで、トレーニングへの向き合い方が自然と変わっていきます。
まとめ:やる気が出ないときは“セロトニン”を疑ってみる
最後に、今日のポイントを整理します。
- やる気の低下や浅い睡眠には、セロトニン不足が関わっている可能性がある
- セロトニンは精神安定・睡眠・認知機能を支え、筋トレ継続の土台になる
- 一方で、セロトニンの“増えすぎ”は脂肪蓄積や骨密度低下のリスクにもつながる
- サプリで一気に上げるより、「食事から正常範囲で整える」ことが重要
- トリプトファン・糖質・マグネシウム・食物繊維・ビタミンB6の5つを意識する
具体的には、
- 鶏胸肉
- マグロ
- 卵
- 納豆
- きなこ
- オートミール
- オオバコパウダー
- バナナ
といった食材を、無理のない範囲で日々の食事に少しずつ足していくイメージです。
まずは3日〜1週間だけでも、今日紹介した“セロトニン寄りの食事”を試してみてください。
気持ちが少しラクになり、トレーニングへのやる気もゆっくり戻ってくるはずです。
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