亜鉛が筋トレとダイエットに与える影響を徹底解説

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「タンパク質も摂っているし、筋トレも頑張っている。なのに、思ったほど体が変わらない…」
そんなとき、実は“亜鉛”という地味なミネラルがボトルネックになっている場合があります。

亜鉛は、筋トレとダイエットにおいて
ホルモン・免疫・回復・代謝
といった“裏方の要”をまとめて支えている栄養素です。

まずは、亜鉛がどんな働きをしているのか。次に、筋トレ・ダイエットとの関係。最後に、実際の摂取方法やサプリの注意点まで、順番に整理していきます。


1. 亜鉛ってそもそも何者?

亜鉛は「微量ミネラル」の一つです。ただし、名前は地味でも仕事量はかなり多く、
300種類以上の酵素や、何千ものタンパク質の働きに関与していると言われています。

具体的には、次のような場面で使われます。

  • DNA・RNAの合成
  • タンパク質合成(筋肉づくりそのもの)
  • 抗酸化酵素の働き
  • ホルモン受容体の構造維持
  • 免疫細胞の分化と働き

そのため、亜鉛が不足すると次のような不調が出やすくなります。

  • 筋肉や体の成長・回復が遅い
  • 傷の治りが遅い
  • 風邪を引きやすい・長引きやすい
  • 味覚低下・食欲不振
  • 慢性的なだるさ・性欲低下

一見「なんとなく調子が悪い」で片付けられがちですが、土台としての亜鉛が足りていないと、筋トレもダイエットもブレーキがかかったままになりやすいです。


2. 亜鉛と筋トレ①:テストステロンとの関係

筋トレ民が気になるポイントといえば「テストステロン」ですよね。
実は、亜鉛はこのテストステロンにも深く関わっています。

まず、亜鉛が不足している男性では、

  • テストステロン値が下がる
  • 性機能・筋力・元気の低下が見られる

といった報告があります。さらに、不足している人に亜鉛を補うと、テストステロンが正常範囲まで戻るというデータもあります。

ただし、ここが重要です。

  • もともと亜鉛が不足している人
    → 補うことでテストステロンが「正常まで」回復しやすい
  • 元から十分足りている人
    → さらにサプリで増やしても、テストステロンがドーピング級に跳ね上がるわけではない

つまり、**亜鉛は「攻撃力アップのドーピング」ではなく、「落ちていたステータスを元に戻す回復アイテム」**的なポジションだと考えるとイメージしやすいです。


3. 亜鉛と筋トレ②:筋タンパク質合成と回復

次に、筋タンパク質合成そのものとの関係です。

筋トレをすると、筋繊維は一度ダメージを受け、そこから

  1. ダメージ
  2. 炎症反応
  3. 修復
  4. 筋タンパク質合成(以前より強く太くなる)

という流れが起こります。

このプロセスの中で、亜鉛は

  • DNA・RNAをコピーする酵素
  • 筋タンパク質をつくる「リボソーム」という工場
  • 活性酸素から細胞を守る抗酸化酵素

の構造・働きに必要なパーツになっています。

そのため、亜鉛が不足すると、

  • 筋肉の修復スピードが落ちる
  • トレーニング後の回復が遅れる
  • 長期的な筋肥大のペースも落ちる

といった形で、じわじわ効率が悪くなっていきます。


4. スポーツパフォーマンスと疲労感

4-1. アスリートは亜鉛不足になりやすい

実は、アスリートやハードトレーニーは亜鉛不足リスクがやや高いと言われています。なぜなら、

  • 汗からミネラルが失われやすい
  • 減量期はそもそも食事量が少ない
  • 高タンパクだが食品が偏っていることも多い

といった条件が重なるからです。

このような状態が続くと、パフォーマンスそのものが下がったり、疲労が取れにくくなったりします。

ただし、ここでも大切なのは、「不足している人には効果大」「足りている人には上乗せ効果は薄い」という点です。
つまり、“適量”をきちんと満たすことが最優先です。

4-2. 疲れやすさとの関係

亜鉛はミトコンドリア(エネルギー工場)の働きや抗酸化機構にも関与しています。
そのため、不足すると

  • 活性酸素が増えやすくなる
  • 疲労感が抜けにくい
  • 「ずっとだるい」という状態になりやすい

といったパターンにもつながります。

「睡眠もカロリーもそこまで悪くないのに、なんとなく回復しきらない」
そんなときは、鉄・ビタミンD・マグネシウムなどと同じく、亜鉛もチェック対象になります。


5. 免疫・風邪・ダイエットとの関係

5-1. 免疫と風邪

亜鉛は、T細胞やナチュラルキラー細胞など、免疫細胞の成熟と働きに深く関わるミネラルです。
そのため、亜鉛不足の人は

  • 風邪をひきやすい
  • 風邪が長引きやすい

傾向があることが知られています。

また、風邪の初期に亜鉛を含むトローチやサプリをある程度の量で摂ると、風邪の期間が少し短くなるという報告もあります。

トレーニー視点で見ると、

「亜鉛不足 → 体調不良が増える → トレーニングが飛ぶ → 長期的な筋肥大・ダイエット効率が落ちる」

という、間接的なダメージがかなり大きいと言えます。

5-2. ダイエット中の代謝と食欲

さらに、亜鉛不足は

  • 味覚の低下
  • 食欲不振
  • なんとなく元気がない

といった症状にもつながります。

一見、「食欲不振ならダイエットには良いのでは?」と思うかもしれません。
しかし、実際には

  • タンパク質や必要な栄養まで摂れなくなる
  • トレーニング強度が落ちる
  • 筋肉が落ちやすくなる

という形で、“痩せるけれど、締まらない身体”になりやすいです。

さらに、亜鉛は甲状腺ホルモンやインスリンの働きにも関わるため、長期の不足は

  • 代謝の低下
  • 血糖コントロールの悪化

とも関連すると考えられています。
つまり、ダイエット中こそ「亜鉛を含めた栄養バランス」がかなり重要になるわけです。


6. 亜鉛が不足しやすい人の特徴

では、どんな人が亜鉛不足になりやすいのでしょうか。代表的なパターンは次の通りです。

  • 肉・魚が少なく、主食+野菜・豆が中心の食事
  • 厳しめのカロリー制限ダイエット中
  • ベジタリアン・ヴィーガン
  • お酒をよく飲む人
  • 消化吸収にトラブルがある人(腸の病気など)

日本のような先進国でも、「重度の欠乏」まではいかなくても、軽度の不足はそこそこ多いと言われています。


7. 必要な摂取量と上限量

ここで、一度数字で整理しておきます。

7-1. 1日の目安量

国や基準によって多少違いますが、目安としては

  • 成人男性:およそ 11mg/日
  • 成人女性:およそ 8mg/日

このあたりが「ふつうに足りるライン」です。

7-2. 上限量(とりすぎのライン)

一方で、「たくさん摂ればいい」というわけでもありません。

  • 多くの基準では、40mg/日前後が“許容上限量”
  • EUの一部では、より安全側に振って25mg/日という数字も採用

とされています。

上限を長期間大きく超えると、

  • 銅欠乏 → 貧血・白血球減少
  • HDLコレステロール(善玉)の低下
  • 免疫機能の低下
  • ごく高容量を長く続けた場合、一部のがんリスクが上がるかもしれないという報告

など、別のデメリットが顔を出してきます。


8. 食事から亜鉛を摂るには?

まずはサプリより「普段の食事をどう組むか」が土台になります。
亜鉛が多い代表的な食品は次の通りです。

  • 牡蠣(トップクラスで多い)
  • 牛肉・豚肉・鶏もも肉・レバー
  • チーズ・卵
  • カシューナッツなどのナッツ類
  • かぼちゃの種・ごま
  • 全粒穀物・豆類

ここで大事なのが、吸収率の違いです。

  • 動物性食品(肉・魚・卵・乳)は吸収が良い
  • 穀類・豆類はフィチン酸の影響で吸収がやや落ちる

という特徴があります。

筋トレ民で、

  • 肉や魚を1日トータル 300〜400g程度
  • 卵・乳製品・ナッツもそこそこ

といった食事をしていれば、正直なところ、サプリなしでも必要量を満たせているケースが多いです。


9. サプリで亜鉛を摂るときのポイント

とはいえ、減量中や食事が偏りがちなときにはサプリも選択肢になります。そこで、量とタイミング、注意点をまとめます。

9-1. どのくらいの量が現実的か

実務的な目安としては、

  • 「食事からあまり取れていないかも」という人
    → サプリで 10〜15mg/日 追加
  • 減量中・菜食寄り・吸収に不安がある人で、医師のフォローがある場合
    → 一時的に 25〜30mg/日 程度

このあたりが上限ラインになってきます。

もちろん、マルチビタミンやプロテインに含まれる亜鉛量も合計して、トータルで40mg/日を超えないようにするのが安全です。

9-2. 飲むタイミング

さらに、タイミングも少しだけ意識すると吸収効率が変わります。

  • 本来は空腹時の方が吸収が良い
  • ただし、空腹で飲むと気持ち悪くなる人も多い
  • その場合は少量の食事と一緒でもOK
  • 高容量の鉄・カルシウムサプリとは同時に飲まない方が、互いの吸収を邪魔しにくい

とはいえ、筋トレ目線では「何時に飲むか」より、

「毎日だいたい同じ量を、過不足なく取り続ける」

この方が圧倒的に重要です。

9-3. とりすぎのリスク

最後に、過剰摂取の話も避けては通れません。

長期間、40〜50mg/日を大きく超えて摂り続けると、

  • 銅欠乏による貧血・免疫低下
  • HDLコレステロール低下
  • 一部の健康リスクが上がる可能性

などが報告されています。

つまり、

「なんとなく元気になりたくて毎日50mg以上を延々と飲み続ける」

といった飲み方は、筋トレ民的にも健康的にもおすすめできません。


10. まとめ:亜鉛は“地味だけど外せない土台”

ここまでを、筋トレとダイエットの視点でまとめると、亜鉛は次のような役割を持っています。

  • テストステロン・甲状腺ホルモン・インスリンなど、ホルモンの土台を支える
  • 筋タンパク質合成や抗酸化を通じて、筋肥大と回復を裏側から支援する
  • 免疫力を守ることで、トレーニングを継続しやすい状態をつくる
  • 不足している人には効果が大きいが、足りている人が大量に飲んでも“魔法のサプリ”にはならない

実際の運用としては、

  1. まずは肉・魚・卵・乳製品・ナッツを軸にした食事で、1日10〜15mg程度を目指す
  2. どう考えても食事から足りていない・減量で食事量がかなり少ない
    → そのときだけ、10〜15mgのサプリで「不足分を補う」
  3. トータル摂取量が40mg/日を超えないようにチェックする

この3ステップくらいが、理屈とエビデンスに一番合った付き合い方です。


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